出口のないトンネル


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突然のフリーズに表情が固まる男性

非正規時代、とにかく将来が不安だった。


非正規社員は20代前半から30代半ばまで続いた。

いくつか職場を転々としたが、事務職が多かった。

事務員として働いていたころは、残業をしても
年収は200万に届かなかった。

同じ職場の正社員は、年収で私の倍以上だった。

常に、働いていても、何とも言えない不安感が拭えなかった。

何か行動を起こさなければいけないと思っていた。

だが、現状が変わって、更に今よりも悪化したらと思うと、
怖くて、なかなか行動に移せなかった。


まさに茹でガエル状態だった。


何かしたいとか、何が出来るとかではなく、
ただ、正社員になりたかった。

現状の抱えている問題は、すべて非正規であるが故だと思っていた。

そして、日々、何か嫌なことがあると、そのたびに
「絶対にこんな所は辞めて、正社員になってやろう」と
なんの努力もせず、決意だけは一丁前だった。

当時、勤めていた会社では、半年ごとの契約更新が多かった。

契約更新ごとに、わずかに上がる時給に決心が揺らぎ、
正社員になるという決意はどこかに飛んでしまった。

時々、買っては読む転職情報誌をみては、一喜一憂した。

良いなと思う働き口は、すべて大卒だった。

高校卒業後、進学したかったが、お金がなくて進学できなかった。

だから、20代になってから通信教育で大学に通った。

非正規になったころは、まだ卒業していなかった為、
学歴上は高卒だった。

大学さえ出れば・・正社員になりさえすれば・・
常に不満や不安の原因を外に求めていた。

そして、結果が出ないことを環境や条件のせいにしていた。

当時は、自分なりに努力はしていたが、常に出来なかった時の

言い訳を考えながら、努力していた。

 

当時はそれを認めることは出来なかった。

それどころか、常に「こんなに頑張っているのに」と思っていた。

 

でも、自分でも薄々はわかっていた。

言い訳なんてしたって、現状は変わらないことに。

 

結局は、どんな理由を付けようとも、現状に満足してしまって、
変える努力なんて、本気でしようとしていないことに。

誰かの責任にしたり、環境や社会のせいにしている方が、
楽だったからだ。

そう言っていながら、不安だけは人一倍感じていた。

何をやるにしても、できない理由を探し続けて、
「だから無理なんです」と言っている方が楽だった。

なぜなら、頑張って努力して、失敗したら嫌だったからだ。

そうやって、自分を誤魔化しながら、それがいつの間にか
誤魔化していると思わなくなった時、その時が来るのが怖かった。

自分を誤魔化す罪悪感があるうちは大丈夫だと、軽く考えていた。


それが間違っていたと気が付いたとき、無職になっていた。


そこで、初めて自分と向き合い、考え方を変えようと思った。

考え方を変えた時、環境や条件は、出来ない理由にならなくなった。

しかし、そうなるまでは、非正規時代は本当に毎日が辛く、
出口のないトンネルの中にいるようだった。

しかし、それは自分の考えが、トンネルの出口を

塞いでいたというだけだった。

 


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管理人 琴峰 一歩      プロフィール

Revtank Outtakes

現在、アラフォーの年齢になった。

10代は、いじめや人間関係に悩み、
苦しみ続ける孤独な毎日だった。

20代では、不安定な経済力や仕事で苦労し、不安な毎日を過ごした。

30代に入り、無職も経験した。
本当に人生を変えたかった。

人生を変える為に、やりたい事、 挑戦したい事は沢山あった。

ただ、それに反比例して、
どうしようもなくお金が無かった。

だから、お金を使わずにできる事。

自分自身の考え方を変えた。

まず、悩み続けた不安定な経済力、雇用関係が変わった。

次に、苦手だった人付き合いが
嘘のように活発になった。

長い間、変わらなかった現実が
突然ガラリと変わった。

今は、新しい人生の夢に向かい、
挑んでいる。

そして、それは少しづつ実現中だ。

 

 

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