
「意志が強い事が、必ずしも良いとは限らない」
前回、沢尻エリカの麻薬事件について書いていて、麻薬に限らず
何かを始めたり止めたりする時の、意志の強さについて考えさせられた。
例えば何かを達成しようと思ったり、何かを始めるときに
意志が強い事が、逆に失敗の原因になったりすることもある。
その場合、意志が強いと「一度決まった事だから」とか
「とりあえず結果が出るまでは」などと言いながら、
見直しをやらなかったりする場合もある。
その結果、計画途上で何度も引き返すチャンスがあっても、
それを実行に移さなかった為に、計画自体が頓挫したという事を
仕事やプライベートを通して何度も見たり聞いたりしてきた。
これは、ポジティブ思考にも通じる部分があるだろう。
ポジティブであるということは、何にでも楽観的、
前向きなのは良いことだと思うが、良いように考える事が、
実は「自分の都合の良いように考える」と、なっている場合もある。
本来、すぐに目についた入り気が付くリスクも「大丈夫」と
根拠のないポジティブ思考、前向き思考できちんと精査せずに
甘い見通しのままだったりする。
その結果、周りの「危ない」という意見に耳を貸さずに突っ走って、
見事に失敗するのも、同じように何度も見聞きしてきた。
私自身は、意志は強くは無かった。
というよりは、極めて意志が弱かった部類だった。
自分に自信も無かったし、自分の行動に疑いを持つほど
己の事を信用できない程だった。
ポジティブ思考にしても、そうだが、
私は基本的に今でもネガティブ思考だ。
何をするのでも、いつも「もしも何かあったら」と考えてしまう。
一番それが現れるのが、海外旅行に行くときだ。
つい「もしも・・」の癖で、荷物はどんどん増えてしまう。
そんなことで、ずっと昔から今でも変わらずにネガティブ思考だが、
全部とは言わないが、比較的に目標を貫徹出来る事が多い。
そういう事で、目的や目標を達成するのに、必ずしも
意志の強さは関係ないと思っている。
メンタル的にも、ポジティブである必要すらないと思っている。
むしろ、意志の強さが他人の意見に耳を傾けないとか、
計画の見直しが出来ないとか、困難に直面しても変な根性論出して
突っ走って行き、とんでもない事になるケースは本当に多い。
麻薬にしても、中毒患者がよく言う言葉で、
「自分は意志が強いから、すぐに止められると思った」とか、
「一度くらいなら大丈夫だと思った」などと、
自分の意志の強さを過信した結果、悲惨な現実に直面した事など、
数えきれないほどの事例がある。
これは、私の勝手な推測だが、きっと沢尻エリカも
いつでも麻薬なんて止められると思っていたのかもしれない。
麻薬に限らず、何でも言えるが、意志の強さなんて
与えられた環境や、前提条件などで、どうにでも変わる。
過去に上手くいっていた事が、次も上手くいく保証など
どこにも存在しない。
「私に限って、大丈夫だろう」「私は今回も上手くやれる」などと
考えがちなのも、意志が強い人間からよく聞かれる言葉だ。
「あの時も大丈夫だったし、きっと今回も大丈夫だろう」
も、「あの時も大丈夫だった」という前提条件が必ず一致しなければ、
場合によっては計画を見直したり、延期や取り止めなども
十分考えてみる必要があると思った。
その意味では、意志が強いという事や、
メンタルがポジティブであることなんて、大した問題じゃない。
私にとって、今回の沢尻エリカの事件は、
色々な事を再認識する切っ掛けになった。
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