営業か事務か、それが問題だ


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私は以前から、他人の転職相談に乗っているが、
ずっと変わらない命題というか、
いつも同じことを相談者から聞かれる。
 
それはつまり「営業が良いのか、事務が良いのか」
の二択だ。
 
そして相談者は、確実に相談という形を取りながらも
ほぼ自分で答えを持って、相談にやってくる。
 
「私は人間関係が苦手なんで、
事務職を希望してるんですけど・・」
 
私に相談しに来る人間は
コミュニケーションに不安を抱えている人間が多い。
 
私自身も、基本的にはコミュ障だから
気持ちは良くわかる。
 
だから私はいつも最初に同じことを言う。
 
「事務が良いと思っているなら、
事務職の面接を受けたらどうですか?」...と。
 
何も私のところにわざわざ来てまで、事務職が希望なんて
意見表明する間があったら、一社でも多く面接を受けた方が良い。
 
これが偽らざる私の本心だ。
 
でも、相談者は背中を押してほしいのだ・・・
 
「そうですね、
人とコミュニケーションを取るのが難しいなら
事務職をおススメしますよ」と、言って欲しいのだろう。
 
しかし、私はいつも逆の事をいう。
 
「人間関係に不安があったり、
人とコミュニケーションを取るのが苦手だったら、
むしろ事務職より営業職をおススメしますよ」...と。
 
むろん、そんな私の言葉を聞いた相談者は
目を白黒させながら、真っ向から否定する。
 
「いえいえ、私はホントに人と話すのも苦手なんですよ!」
 
って、アンタ充分に目の前の私と話してるし、
キチンと反論してるじゃん・・・といつも私は同じことを思う。
 
これまで、たくさんの人間関係に不安を持っている人と接してきたが
ほとんどの人は「営業」という人と接する仕事を毛嫌いしている。
 
だが、コミュ障といわれる人にとって「営業」は怖い職種なのだろうか?
 
結論から言うと、私はコミュ障の人ほど、
「営業」に行くべきだと思う。
 
もちろん、これは完全なる私の私見であり持論だ。
 
では、何故、コミュ障は営業職を選ぶべきなのかというと
人間は他者と接することでしか、コミュニケーションを学べないからだ。
 
では、事務職はどうなのか?
 
コミュ障にとって、パッと見た目は事務職の方が
天国に見えるだろう。
 
だが実は、これほどの地獄は
他には無いのだ。
 
なぜなら、事務職の場合は一般的に毎日決まった机に座り
決まったメンバーに囲まれて仕事をする。
 
もし、どうしても馬が合わない人間が
同じ職場に存在したら、毎日毎日、朝から晩まで
顔を突き合わせて業務をこなさなければいけなくなる。
 
そんな事は出来ますか?と言いたい。
 
この段階で、好き嫌いに関係なく、馬が合わない人間も含めて
日々の有形無形のコミュニケーションを取れなければ、
やがてハブられるのは時間の問題となる。
 
残念ながら、仕事さえできれば、あとはどうでも良いと
プラスの方向へ考えてくれる職場や人間は少ないのが現実だ。
 
くだらない挨拶や、声の大きさや、笑顔の有無で
当人の全人格を判断し、文句を言ってくる輩は多いのだ。
 
それに、事務職でも職種や会社によって、
毎日こなすべき業務というのは千差万別だ。
 
今までのキャリアや知識が生かせれば問題ない。
 
だが多くの場合は一定期間は、
新しい職場の事務処理方法を学ぶために
学び苦しむ期間は存在する。
 
仕事を教わるうえでも、コミュニケーションは必要だし
日々の業務を円滑に行う上でも、コミュニケーションは欠かせない。
 
ただ机に座って、パソコンとにらめっこして
一日が終わるという事務職など、ほとんど無いといって良いだろう。
 
つまり、事務職は当たれば問題ないが、
外れた場合は逃げ場がなくなるのだ。
 
では、営業職はどうなんだと、考えてみる。
 
営業職は、一見すると他人と関わる比率が大きく
しゃべりが上手な人間じゃないと務まらない・・・

そういうイメージを持たれやすい。
 
だが、それは半分正しくて、半分は正しくないと言える。
 
一口に営業と言っても、様々は業務形態が存在する。
 
中には人と会わないでメールや電話での営業だって存在するし
決まった会社に決まった曜日、時間に訪問する
ルート営業だってある。
 
それに逃げ場がない事務職に比べたら、
ある程度の身体的自由も営業には許される場合がある。
 
また、好むと好まざるとにかかわらず、
営業職はある程度の、他人とのコミュニケーションは必要だ。
 
だが、それは結局は、コミュ障にとっては
よいトレーニングだと私は思っている。
 
何も好かれるための努力をするというのではない、
割り切って、会社の利益に貢献するために
他人とのコミュニケーションを取ればよいのだ。
 
仮に、上手にコミュニケーションを取れなくても
私は良いと考えている。 
 
上手か上手じゃないかは、人によってさまざまだが、
節度ある、誠実ある対応というのは、万人受けするのだ。
 
だから、朴訥としていても、自分なりの
精一杯のコミュニケーションを取ればよいと思っている。
 
世間一般にいわれている常識とやらをもつ大人なら
多少、自分の意に則わない人間でも、ある程度の節度をもって
接してくれる。
 
もし、些細な言葉遣いや言い回しや態度、そんなことで
嫌がらせをしてきたり、いじめてくるような奴がいるなら、
そんな会社は辞めたらよいのだ。

 

その程度の人間のいる会社など、程度が知れているというものだ。
 
この「何かあったら、辞めたらいい」という感覚は
私はとても大事だと思っている。
 
みんな極限まで頑張りすぎて、擦り切れて疲弊して
働けなくなるまで、努力し続ける人が多いと思う。
 
それよりも、嫌だと思ったら、スパッと切り替える方が
ダメージが少なくて、また再起できる気力も体力も残っている。
 
特に、最初から気が進まない営業職を選べば、
何かあった時に「辞める」という選択を取りやすい。
 
故に、私は営業職はお勧めだと思っている。
 

では、事務職の場合は、どうだろうか?

会社や業務形態にもよるが一旦施設内にはいったら、
外部の人間と接触できない事務職もある。
 
私が勤めている会社の総務や人事は職場内に携帯も持ち込み不可だし
職場内の食堂でお昼を食べて、帰社するまでほとんど外部と接触しない。
 
あと怖いのは、大きな組織などはよくあるケースだが、
社内の常識が世間の常識とずれていることが良くあるのだ。

 

なまじ大きな組織程、自分の組織内で業務が完結してしまうため
外の常識に触れる機会がへり、それが社内の独特な常識を
形成してしまうことも有る。

 

これが結構ガンな場合が多い。
 
それに、せっかく希望した事務職として働いているのに、
もし辞めたら「次はあるだろうか?」と考えてしまい
撤退のタイミングを逃して、ズルズルと辞めるべき職場なのに居続けて
精神を病んでしまった人も、たくさん知っている。
 
まあ、所詮は営業と言っても事務と言っても
単なる業務形態の一つに過ぎない。
 
働くフィールドが違うだけで、
会社の利益になることするのには変わらない。
 
それに昔と違い職種によっては、業務が細分化して
専門職に近い状態になったり、逆に統合化されて営業事務のように
オールラウンダー的な業務を行っている会社もゴマンとある。
 
もし、人と接するのが苦手なら、一人で出来る仕事をおススメする。
 
ただ、そんな仕事でも、結局は電話やメールのやり取りは
絶対に必須になってくる。

 

結局は、どこまで行っても他人と接しないで仕事をするというは
どだい無理な話なんだろう。
 
それなら、いっそうの事、自分が無理だと思っている世界に
飛び込んでみる事をおススメする。
 
私も、無理だと思う世界に飛び込んでから、
自分の人生は大きく変わっていった。
 
失敗したら、辞めて、また再チャレンジすればいいのだ。

仕事に対して、軽く見るつもりはないが
失敗したって、命まで取られるような事ではないのだから。
 
合わなかったら、「すいません、辞めます。」

私はそれで良いと思っている。


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管理人 琴峰 一歩      プロフィール

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現在、アラフォーの年齢になった。

10代は、いじめや人間関係に悩み、
苦しみ続ける孤独な毎日だった。

20代では、不安定な経済力や仕事で苦労し、不安な毎日を過ごした。

30代に入り、無職も経験した。
本当に人生を変えたかった。

人生を変える為に、やりたい事、 挑戦したい事は沢山あった。

ただ、それに反比例して、
どうしようもなくお金が無かった。

だから、お金を使わずにできる事。

自分自身の考え方を変えた。

まず、悩み続けた不安定な経済力、雇用関係が変わった。

次に、苦手だった人付き合いが
嘘のように活発になった。

長い間、変わらなかった現実が
突然ガラリと変わった。

今は、新しい人生の夢に向かい、
挑んでいる。

そして、それは少しづつ実現中だ。

 

 

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