非正規の頃、資格という言葉にいつも振り回された。
自分が今、非正規雇用で辛く苦しい思いをしながら就職できず、
その環境から抜け出せないのは資格がないということが
大きな理由の一つだと思う事が多々あった。
正社員として企業に就職して、安定して働きたい…
という気持ちから、どうしたら就職に有利な資格を手に入るか。
毎日そんな事ばかり考えていた。
それ故に、日々就職に関する資格取得という言葉に
振り回されるづける毎日を送っていた。
資格を取得して何をしたいとか、何になりたいかではなく、
そんな事はあまり考えなかった。
多分、本当はやりたい仕事や、夢や希望はあったはずだった。
ただ、どうしようもない辛い現実に毎日さらされ続けて、
何時の間にかそこから抜け出すために、夢も希望も捨てて
ただ正社員になる為にはどうしたら良いかと…
何時の間にか、そんな事ばかりを考えるようになっていた。
だから、例えば医療事務の資格が就職に強いと聞けば、
その資格取得に心が動いたし、IT系の資格が良いと聞けば
取得しようか真剣に考えたりもした。
別に心から医療事務がしたいとか、プログラマーになりたいとか
そんな気持ちなど無かったし、情熱もなかった。
ただ正社員になるための手段として、資格が欲しかっただけだった。
この迷走状態はずっと続き、方向性が定まらない事で
ますます自分自身の生き方に一貫性が無くなっていった。
そして人づてに、誰か知り合いや知人が資格を取得して
晴れて正社員になったと聞くと、ますます資格を持たない事に
焦りが生じるようになっていった。
では、心機一転して頑張って資格を取得するために動くかといえば
決してそんな事は無く、グダグダと自分に言い訳ばかりしていた。
ただ何となく、漠然と何かの資格を手に入れることで
非正規雇用の不安定さから逃れられるような気がしていた。
結局この資格という言葉にこだわり、振り回され、
最後に仕事を失い、無職になって引きこもったことで、
初めて意味が無かったことに気が付くことが出来た。
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