非正規社員は社会不適合者なのか?


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「壁にもたれさす」の写真[モデル:Tsuyoshi.]
非正規社員として働く人間は、社会不適合者なのか?
それとも社会不適合者だから正社員として雇用されず、

ずっと非正規雇用のままなのか?
 
これは、私が非正規社員で働いていた時、
ずっと心の中で思っていた事だった。
 
 
そう思うきっかけがあった。
 
 
昔、とある物流を扱う企業の事務職で
非正規雇用として働いていた時の事だった。
 
昼休みの時、食堂で昼食を食べている時、
不景気から社員の人件費圧縮の話になった。
 
その時、食堂には私を含めて非正規雇用の社員が4,5名いて
後は10人くらいの正社員の人間がいたと記憶している。
 
人件費の圧縮と聞いて、まず真っ先にアルバイトやパート
非正規社員などが対象となると思い、私はギョッとした。
 
もちろん、私以外のパートで働いている主婦の方が
思わず「え~!そんなの困る!」と言った時だった。
 
その言葉に反応した社員の一人が、私やパートの主婦の方を向き、

笑いながら言った。
 
「あ~!人件費圧縮の話は、来年度の雇用の話しで

アンタらには関係ない話だから」
 
「アンタら非正規の給料は人件費から出てないから!」
「物品費!わかる?つまり雑費から給料が出てるからさ~」
 
1人の社員が笑いながらそんなことを言い放った。
 
今でも当時の状況と言われた言葉は忘れることが出来ない。
 
 
その社員の言葉に反応し周囲の人間も同じように
「まあ会社にとっては、アンタらはモノ扱いなんだろうな」
などと言っては、ゲラゲラ笑っていた。
 
今なら、間違いなく問題発言になると思うが
当時は誰も問題だとは思わなかった。
 
そんな事を言われて、私はとてもショックだったし
面と向かって言われた主婦の方などは涙ぐんでいた。
 
ただ何となく「きっとそれが本音なんだろうな」と思うような、

そんな事がその企業に限らず、それまでも何度もあった。
 
 
まず雇用の際の、最初の面接のときから始まり
普段の仕事に対する扱いや、ちょっとした日常の言動や態度。
 
そういった事を含めて、何となく一段も二段も、
こちらが下に見られながら対応されることが多々あった。
 
そのくせ、困った時だけは「どうか助けてくれ」と言わんばかりの
ご都合主義の態度や言動に、いつもイライラした。
 
また、いつも日常業務や休日出勤がある場合など
ただ社員が楽をするための、単なる補完的な労働力として
いつも非正規社員が酷使されるような事が多かった。
 
何となく周囲からは正社員ではなく、非正規雇用で働くという事は
本来なら、社会不適合者として存在を許され無いが、仕方なく
お情けで社会の一員として認めてやってるんだ。
 
そんな風に思われているような気がして、とても悲しかった。
 
 
また実際に、私の経験上、それが本当なのかどうかは別にして
そう思わざるを得ない程に、多くの場合は正社員に比べて、
非正規雇用の場合は、同じような労働環境に属していながらも、
とても貧弱な待遇や保障な場合が、多かった。
 
そんな環境にさらされ続け、職場愛や仕事へのやりがいなど
持ちようも無かった。
 
 
そしていつの間にか、自分自身が非正規雇用の立場である事が、
とても恥ずかしく思うようになっていった。
 
正社員になれない自分を卑下し、負のスパイラルとでも言うべきか、
精神的にも環境的にもどんどん悪化していった。
 
非正規社員として働いていた頃は、まさにそんな感じだった。


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管理人 琴峰 一歩      プロフィール

Revtank Outtakes

現在、アラフォーの年齢になった。

10代は、いじめや人間関係に悩み、
苦しみ続ける孤独な毎日だった。

20代では、不安定な経済力や仕事で苦労し、不安な毎日を過ごした。

30代に入り、無職も経験した。
本当に人生を変えたかった。

人生を変える為に、やりたい事、 挑戦したい事は沢山あった。

ただ、それに反比例して、
どうしようもなくお金が無かった。

だから、お金を使わずにできる事。

自分自身の考え方を変えた。

まず、悩み続けた不安定な経済力、雇用関係が変わった。

次に、苦手だった人付き合いが
嘘のように活発になった。

長い間、変わらなかった現実が
突然ガラリと変わった。

今は、新しい人生の夢に向かい、
挑んでいる。

そして、それは少しづつ実現中だ。

 

 

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