挫折から、再び進学を目指して


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「海外の大学」の写真

美容師を辞めるとき、みんな素っ気ないものだった。

そりゃそうだ、お店としては働いてもらわないとならない。
それに、従業員として戦力にならなければ意味はないのだから。

だが、そうはいっても私自身にしても生活の為、
働くしかないのだが、ここで問題があった。

 

サラリーマンをするには、最終的には
大学を卒業しておくかどうかの問題だった。

今から振り返って考えても、どうしてそれ程までに
大学進学に拘ったのか、理由はいくつかあった。

特に、自分の中で一番大きかったのは、進学出来ないと駄目だという
強迫観念にも似た、コンプレックスだったと思う。

このコンプレックスが解消されない限り、いかに状況が変わろうが、
理想の環境を手に入れようが、決して満たされたいであろうと思っていた。

何かある度に「あの時大学を出ていれば、もっと違ったかもしれない」と
ずっと考え続けるであろうことは、当時から容易に想像できた。

だからといって、このことで過去、今までに進学問題で、

何年にも渡りシンドイ思いをしてきた為、再度進学のために
もう一度頑張れるかというと、また話は別で、精神的にキツかった。

だが、進学しない、もしくは先延ばしをこの時点で決めることも、
何となく後で後悔しそうな気がした。

現実問題として「すぐに進学できれば」という条件の基では、
金銭的には、どうにかアルバイトをして食いつなげば、
学校に通える程度の貯金はあった。

だが、ずっと勉強から遠ざかっていて、受験勉強を
一からやり直すには時間的にも金銭的にも余裕が無かった。

それならばと夜学も考え、学校を観に行ったが決めきれなかった。

何故なら、定時制高校に通っていた頃、驚くほどのスピードで
櫛の歯が欠けるように、何かあると次々と退学していく同級生を
何度も間近でみていた。

その時の思い出から、私自身、夜学は続けるのが難しいという
印象を持っていた。

どうしようかと電車の中で思案している時に、
ちょうど中吊り広告に通信制大学の募集要項が書いてあった。

これなら大学の資格も取れるし、学校に行かなくて済む、
目一杯働いて、お金を貯めてから転職すればよい。

そういう結論に達した。

でも、まさかこの時は、卒業するまでほぼ二十代の期間を
全て勉強で使い切り、進学したことを何度も後悔するほど
苦しむなんて、思いもよらなかった。

選択した通信教育という手段が、実は夜学より卒業するのが
はるかに難しいなんて、この時は全く気が付きもしなかった。

ただ単純に、学校に通わなくても良いとか、
学費も驚くほど安く済むとか、自分にとって都合の良い部分しか
見えていなかった。

ただ、この時は単純に長い間希望していた進学が、やっと叶う事に
気持ちは弾んでいた。

就職先も、なるべく理解ある場所を選んだ。

幸い、4社か5社目に、通信教育で大学に通いながら働くことは
良いことだと、理解を示してくれる会社が見つかった。

そこで6か月間の試用期間の後、正社員として採用するとの
通知をもらい、就職することが出来た。

これが高校を卒業して以後、初めて正社員として働いた時だった。

琴峰一歩のプロフィール Vol5


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管理人 琴峰 一歩      プロフィール

Revtank Outtakes

現在、アラフォーの年齢になった。

10代は、いじめや人間関係に悩み、
苦しみ続ける孤独な毎日だった。

20代では、不安定な経済力や仕事で苦労し、不安な毎日を過ごした。

30代に入り、無職も経験した。
本当に人生を変えたかった。

人生を変える為に、やりたい事、 挑戦したい事は沢山あった。

ただ、それに反比例して、
どうしようもなくお金が無かった。

だから、お金を使わずにできる事。

自分自身の考え方を変えた。

まず、悩み続けた不安定な経済力、雇用関係が変わった。

次に、苦手だった人付き合いが
嘘のように活発になった。

長い間、変わらなかった現実が
突然ガラリと変わった。

今は、新しい人生の夢に向かい、
挑んでいる。

そして、それは少しづつ実現中だ。

 

 

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