女はつらいよ! 女社会は超ハード


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「バーで乾杯する男女」の写真[モデル:大川竜弥 Lala]

水商売で働いたことで、今でも出来なくなったことが
一つだけある。

それは、自分で外で飲むとき、スナックでもキャバクラでも、
とにかくホステスがいるお店に行けなくなった。

行きたくないのだ。


一度、会社の帰りの飲み会のあと、飲み足りない流れで
二次会でキャバクラに行ったことがあった。

隣に座ったホステスと話をしていて、昔の事を思い出してしまい、
勝手にホステスの裏事情とかを想像すると、もう駄目だった。


全然楽しめなくて、理由を付けてすぐに帰ってしまった。


働いていた頃、店のホールでみるホステスは本当に綺麗だった。
普段は不愛想で怖いNさんなど、女優さんみたいだった。


単に見ているだけなら、華やで楽しい世界だった。


みんな(中には例外もいたが)「ホール」では気遣いの出来る
優しい女性ばかりだった。

だが、ひとたび裏の部分を垣間見てしまうと、
女は楽に稼ぐと思われるかもしれないが、男じゃ無理だと思うほど、

心身ともに超ハードだと、心から思った。


想像とはかけ離れた、全然違う女社会が、そこにはあった。
あまりのギャップに、かなり女性不信になった部分もあった。


偏見と言われてしまうとそれまでだが、

相当な割合でというか、ほとんどのホステスは、結構な悩み、
それも根深い問題を抱えている人が多かった。

何が普通か問われると言葉に困るが、一般的な女性とは性格も含め
かけ離れた感じの女性が多かった。


情緒が不安定で、いきなり泣いたり、突然切れて
ホステス同士でつかみ合いの喧嘩もしょっちゅうだった。

ホールスタッフの男性の態度が気に入らないと暴れたり、
突然バックレたり、客を取ったの取られたのと揉めたり、
派閥間抗争みたいなものもあった。


とにかく女同士、お互いのやり口を知っているだけに
本当に情け容赦なかったし、とても問題が多かった。

問題の順でいえば、家庭→金銭→異性の順に多かった気がする。


家庭的に愛情や金銭に恵まれなかった故に、
愛情や金銭に対して貪欲だったり、構ってほしいというか、
愛されたかったのかなと、今になって、そう考えることが多い。

そう思うと、ホステスは結構ニーズに沿った職業ともいえる。


綺麗に着飾って、キラキラした装飾の部屋で
自分目当ての男が大金を使ってくれるのである。

ある種の自己肯定感は満たされる部分もあるだろう。


ただ、ホステスという職業は本当にハードな職業だと言える。
何時も、アルコールにさらされている。

上手なホステスは、あまりお酒を飲まなかったりするが、
人によっては、相当飲む場合だってあった。

そして、仕事柄とはいえ異性との距離が極めて近いというのも
ストレスになったりもするだろう。

場合によっては、客のストレスの掃き溜めになったり、
普通に考えたら女性としては嫌がるような事を平気でされたりする。


もちろん、そんな職場環境でも「これを越えたらお仕舞よ」という

物事の許される限界点はある。


それは店の方針や、ママの考え方にもよるとは思う。
当時の店では、どんな客のトラブルも3回までは許すとしていた。

3回目に問題を起こしたら、料金のツケから何から全部回収。
そのうえで、ボトルキープも破棄。

ホステスの指名も不可になり、それでも来店したければどうぞ
と、いったようなことを何度か聞いていた。

それでも、4回目の失態を犯したら、永久追放の出入り禁止だった。


実際に、「なんて嫌な奴なんだろう」と思っていた客が、

ある日を境に全く姿を見なくなることも、私の記憶でも3、4人いた。

それが、出入り禁止になったのかどうなのか分らないし、
当時はそんなことも聞くことも無かった。


ただ、4回は我慢しなければならなかった事を考えると、
ホステスの忍耐力は相当なもんだったろうと思う。


とにかく、当時はトラブルに関しては事あるごとに、
「ウチは厳しいからね」とオーナー以下、
ママをはじめマネージャーやホステスも口をそろえて言っていた。


もちろん、お客だけではなく、従業員も結構クビになっていた。


特に、ホールスタッフでホステスと色恋沙汰になったり、
金銭問題を起こした従業員は速攻でクビになっていた。

もちろん、ホステスも含めてだ。


勤めだして、1年を過ぎた頃には、仕事が続くホステス、
逆に辞めるホステスの区別が、何となくわかるようになっていた。


目的が無い人は、早々に潰れていくというか、辞めていった。


最初から綺麗な人だったり、異性にモテるような、
女性としての審美的な才能に恵まれていて、プライドが高く
その才能だけで仕事をする人も、辞めるのは早かった。

逆に、とても勉強家で目的意識が高い人は、姿かたちに関係なく
長続きしたし、お客からの人気は高かった。


当時は、店のホステスの半分くらいは長く勤めていて、
残りの半分は入れ替えが激しかったり、辞めないまでも
あまり店に来なかったりと不安定な勤務だった。


でも、多くのホステスさんは、問題を抱えていても、
本当にプロ根性を持って働いていた人は多かった。


どんなに嫌なことがあっても、それこそ女優のように
ホールに出た瞬間、雰囲気がガラッと変わった。

良くも悪くも、この切り替えの上手さだけは、
今でも私は時々思い出しては、見習っている。

それに、男社会の方が楽だし。


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管理人 琴峰 一歩      プロフィール

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現在、アラフォーの年齢になった。

10代は、いじめや人間関係に悩み、
苦しみ続ける孤独な毎日だった。

20代では、不安定な経済力や仕事で苦労し、不安な毎日を過ごした。

30代に入り、無職も経験した。
本当に人生を変えたかった。

人生を変える為に、やりたい事、 挑戦したい事は沢山あった。

ただ、それに反比例して、
どうしようもなくお金が無かった。

だから、お金を使わずにできる事。

自分自身の考え方を変えた。

まず、悩み続けた不安定な経済力、雇用関係が変わった。

次に、苦手だった人付き合いが
嘘のように活発になった。

長い間、変わらなかった現実が
突然ガラリと変わった。

今は、新しい人生の夢に向かい、
挑んでいる。

そして、それは少しづつ実現中だ。

 

 

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