他人の目が気になり、小さな嘘をつくようになる


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「絶望して立ち直れない女性」の写真[モデル:たけべともこ]
他人の目が気になり、小さな嘘をつく…
 
人付き合いのテクニックに走り、曲がりなりにも
他人と関われるようになると、そんな事をするようになった。
 
最初は人付き合いの中で、嘘をつくつもりなど全く無かった。
 
ただ人付き合いのテクニックで、周囲から面白い奴とか

親切な奴だと思われるようになった事が嬉しかった。
 
周囲からプラスの評価をされるたびに、惨めだった過去の自分や
苦しいだけだった過去の出来事を忘れることが出来た。
 
だが自分が周囲から見られている評価が
本来の自分や、過去の自分と乖離すればするほど、
今度は他人の目が気になるようになった。
 
せっかく明るくて面白い奴と思われているのに、
過去にいじめられたとか、人付き合いが実は苦手だと
そんな過去を知られるのが本当に怖かった。
 
もし周囲の評価とは、私が真逆の人間なんだとバレたら
順調だった人付き合いは終わり、人が離れていってしまう気がした。
 
次第に私の心の中は、日々焦りの気持ちで一杯になっていった。
 
そして仲間内でワイワイと過去の思い出話などが出るたびに、
いつも自分の話になると、適当に誤魔化していた。
 
そんな誤魔化しを繰り返していくうちに、周囲の人間が
想像を交えて、私の過去を色々と評価するようになった。
 
 
「やっぱり、昔から面白い事ばっかり言っていたんでしょ?」
「結構ムードメーカー的存在だよね!」…
 
 
そんな事を言われるたびに、本当に嬉しかった。
 
だがその反面で、過去の自分の惨めな状況…
この事実を絶対に知られたくないと思うようになっていった。
 
そして、つい嘘をつくつもりは無かったが、
周囲の評価に乗っかる事で、自分の過去や性格について
嘘をつくようになっていった。
 
最初は些細な嘘だった。
 
学校生活は楽しかったとか、クラスで結構人気だったとか
他愛も無いような、些細で悲しい嘘だった。
 
本当なら「いや、自分は実は…」と正直に言うべきだったと思う。
 
だがもし本当の事を言えば、きっと周囲はシラケるだろう。
 
そして、いじめられていたことも笑われて、
また以前のように孤独な毎日を送ることになる。
 
もう、せっかく手に入れた環境を手放したくなかった。
 
そして一度小さな嘘をつくと、それを取り繕うように
また小さな嘘をつき、誤魔化していく。
 
こんな事を繰り返して、気が付くと取り返しがつかない程に
自分の小さな嘘が膨れ上がってしまっていた。
 
そうなると、もう自分の過去がバレる恐怖よりも

いつ嘘が何時バレるのかが、気になって仕方がなかった。
 
こんな事なら、最初から自分の惨めな過去がバレて
きれいさっぱりと周囲が離れてしまった方が良かった。
 
嘘をついた自分を棚に上げて、周囲の人間を避けるようなり
人と会う事自体が、とても苦痛になっていった。
 
結局、自ら招いた嘘のプレッシャーに耐えられず、
嘘がバレる前に自分から周囲と距離を置くようになり、
フェードアウトするようになった。
 
この頃は、今と違ってSNSなど身近な存在ではなく、
周囲と連絡を絶つのはそれほど難しくなかった。
 
そして、また新たな場所で、新しく人間関係を構築するたびに、
「次こそは、素直に偽らない自分で勝負しよう」…

  
そう思いながらも、どうしても小さな嘘を重ね、
その嘘に苦しんでは人付き合いを断つという事を
繰り返していった。


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管理人 琴峰 一歩      プロフィール

Revtank Outtakes

現在、アラフォーの年齢になった。

10代は、いじめや人間関係に悩み、
苦しみ続ける孤独な毎日だった。

20代では、不安定な経済力や仕事で苦労し、不安な毎日を過ごした。

30代に入り、無職も経験した。
本当に人生を変えたかった。

人生を変える為に、やりたい事、 挑戦したい事は沢山あった。

ただ、それに反比例して、
どうしようもなくお金が無かった。

だから、お金を使わずにできる事。

自分自身の考え方を変えた。

まず、悩み続けた不安定な経済力、雇用関係が変わった。

次に、苦手だった人付き合いが
嘘のように活発になった。

長い間、変わらなかった現実が
突然ガラリと変わった。

今は、新しい人生の夢に向かい、
挑んでいる。

そして、それは少しづつ実現中だ。

 

 

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